世の中のニュースや最新情報を知ったり、ネット上のコミュニケーションで欠かせない存在となったSNS。
鹿児島県に住む皆さんも様々な形で利用していると思います。
今回は、鹿児島県民のSNS利用実態調査ということで下記のようなアンケートを実施しました。
1. 調査概要
本調査は、鹿児島県民100人を対象に、SNSの利用状況についてアンケートを実施したものです。回答者の属性および、調査概要は以下の通りです。
【調査概要】
- 調査対象: 鹿児島県在住の男女100人
- 調査方法: セルフ型アンケートツールfreesyを通したインターネット調査
- 調査期間: 2025年3月3日
- 有効回答数: 100
【回答者属性】
属性 | 割合(%) | 人数 |
---|---|---|
性別 | ||
男性 | 48% | 48人 |
女性 | 52% | 52人 |
年代 | ||
10代 | 1% | 1人 |
20代 | 9% | 9人 |
30代 | 31% | 31人 |
40代 | 34% | 34人 |
50代 | 19% | 19人 |
60代以上 | 6% | 6人 |
2. 調査結果
2-1. SNS利用率
鹿児島県民のSNS利用率は89%と、非常に高い結果となりました。
特に40代以下ではほぼ全員が利用していることが、今回の調査で明らかになっています。
図1: 鹿児島県民のSNS利用率

2-2. 利用しているSNS(複数回答)
SNS | 全体(%) | 男性(%) | 女性(%) |
---|---|---|---|
LINE | 92.8 | 91.7 | 93.8 |
53.0 | 45.1 | 60.0 | |
X (旧Twitter) | 36.1 | 41.3 | 31.3 |
24.1 | 30.4 | 18.4 | |
YouTube | 59.0 | 63.0 | 55.8 |
TikTok | 14.5 | 8.7 | 19.6 |
その他 | 4.8 | 6.5 | 3.8 |
どれも利用していない | 11.0 | – | – |
※「どれも利用していない」は、複数回答の選択肢ではないため、男女別の数値はありません。
図2: 利用しているSNS (複数回答) – 全体

図3: 利用しているSNS (複数回答) – 男女別

2-3. その他の回答
- F3層(50-64歳・女性): 51%の方が「職員(会社員、教員など)」と回答。
- F5層(20-34歳・女性): 職業別回答では「専業主婦・主夫」が最多、「パート・アルバイト・フリーター」が続く。
3. 調査結果から推測される事柄、カゴシマーケティング的考察
- LINEの圧倒的な普及:
- 鹿児島県民の約9割が利用しているLINEは、もはや生活インフラの一部となっていると言えるでしょう。
- 特に年齢層が高い層においても利用率が高いことは、家族や地域コミュニティとの連絡手段として活用されていることが考えられます。
- 企業や店舗が利用者とのコミュニケーションの手段としてのLINE(LINE公式)活用が進んでいるようです。
- Instagramの女性人気:
- 女性の利用率が6割と高く、特に20代〜34歳(F5層)での利用が多いです。
- 視覚的な情報発信が中心のInstagramは、ファッション、美容、グルメなど、女性の関心が高い分野との相性が良いと考えられます。
- 鹿児島のグルメや観光情報を発信したいという方が増えており、インフルエンサーとして活動している方も見受けられるようになっています。
- X(旧Twitter)の男性人気、Facebookのビジネス利用:
- Xは男性に人気が高く、Facebookは比較的年齢層が高めです。
- Facebookは実名登録が基本であることから、ビジネス関連の利用や、比較的フォーマルな情報交換の場として活用されている可能性があります。
- Xでは鹿児島ユナイテッドFCのサポーターが「ツイ灰」と自称して活発なコミュニケーションが見受けられます。
- YouTubeの幅広い利用:
- 全年代で利用されており、情報収集、娯楽、学習など、様々な目的で利用されていると考えられます。
- 動画コンテンツは、今後ますます重要性を増していくでしょう。
- 一時期Youtuberで活動したいという方が増えていたタイミングもありましたが、この傾向は鹿児島県内ではひと段落しているようです。
- TikTokの若年層人気:
- 若年層を中心に利用が広がっており、特に女性の利用率が高い傾向があります。
- 短い動画で気軽に楽しめるTikTokは、若者のトレンドの発信地となっています。
- みている人はかなり見ている、見ていない人は全く見ていないという傾向もあり、見られる見られないの差が大きいため、ビジネス活用の場合はターゲティングが非常に重要になりそうです。
4. 鹿児島の事業者がこのデータを活用するための示唆
今回の調査結果を踏まえ、鹿児島県内でビジネスを展開する事業者が、SNSを効果的に活用するための具体的な提案を以下に示します。
- LINE公式アカウントの活用:
- ほとんどの県民が利用しているLINEは、最もリーチしやすいSNSです。
- LINE公式アカウントを開設し、友だち登録を促すことで、顧客との継続的な接点を持つことができます。
- セグメント配信(年齢、性別、地域などで絞り込んだ配信)を活用することで、より効果的な情報発信が可能です。
- 例:飲食店のクーポン配信、小売店のセール情報、美容室の予約受付など
- Instagramでの視覚的アピール:
- 特に女性をターゲットとするビジネス(美容、ファッション、グルメなど)では、Instagramの活用が不可欠です。
- 魅力的な写真や動画を投稿し、ブランドイメージを高めることが重要です。
- ハッシュタグを活用し、検索流入を増やすことも効果的です。
- ストーリーズやリールなど、Instagramの様々な機能を活用し、ユーザーとのエンゲージメントを高めましょう。
- インフルエンサーマーケティングも有効な手段と言えますが、効果が継続的でないケースも多いため施策を実施する前後の動きも重要になってきそうです。
- X(旧Twitter)での情報発信:
- リアルタイム性の高い情報を発信するのに適しています。
- キャンペーン情報やイベント告知など、即時性が求められる情報を発信する際に活用しましょう。
- ユーザーとのコミュニケーションを積極的に行い、リツイートやいいねを促すことで、情報の拡散を図りましょう。
- 炎上リスクも叫ばれているので、センシティブな話題などに十分留意する必要があります。
- YouTubeチャンネルの開設:
- 動画コンテンツは、テキストや画像だけでは伝えきれない情報を伝えることができます。
- 商品紹介、サービス紹介、店舗紹介、スタッフ紹介など、様々な動画コンテンツを制作し、YouTubeチャンネルで公開しましょう。
- SEO対策(タイトル、説明文、タグなどにキーワードを含める)を行い、検索上位表示を狙いましょう。
- TikTokでの若年層へのアプローチ:
- 若年層をターゲットとするビジネスでは、TikTokの活用も検討しましょう。
- 短い動画で、商品やサービスの魅力を伝えることができます。
- 流行の音楽やダンスを取り入れるなど、若者の興味を引くコンテンツを制作しましょう。
- TikTok広告を活用することで、より多くの若者にリーチすることができます。
- F3・F5層へのアプローチ:
- F3層に対しては、Facebookなどを利用した、落ち着いたトーンでの情報提供が効果的です。
- F5層はInstagramを中心としつつ、「専業主婦・主夫」が多いことから、LINEなどでのクローズドなコミュニティでの情報発信も有効かもしれません。
- クロスプロモーションの実施:
- 複数のSNSを連携させ、相乗効果を高めましょう。
- 例えば、Instagramで投稿した内容を、LINE公式アカウントやXで告知するなど、複数のSNSで情報を発信することで、より多くの人に情報を届けることができます。
まとめ
今回の調査から、鹿児島県民のSNS利用状況は、年代や性別によって異なることが明らかになりました。
これらの特性を踏まえ、ターゲットとする顧客層に合わせたSNS戦略を立てることが、ビジネスの成功につながるでしょう。
また、鹿児島ならではの地域性を考慮した、きめ細やかな情報発信も重要です。