サービスやものを売ったりすることを考えるためには効果的なマーケティングが不可欠です。しかし、「何から始めればいいのか分からない」「やるべきことが多すぎて整理できない」という声をよく耳にします。そんなとき、強い味方となるのがマーケティングのフレームワークです。
マーケティングを解説する本の多くで最初の方に「4P」や「3C」みたいな分析手法を紹介しています。分析といえば難しく聞こえますが、簡単な表に書き出して行ってみると見えることやるべきことが見えてきます。逆に、書き出せないということはまだまだ自分がやっていることやろうとしていることが理解しきれていないとも言えるのではないかと思います。
今回は、マーケティング施策を考える上で有用な「フレームワーク」について説明していこうと思います。
なぜフレームワークが必要なのか?
マーケティングには、製品開発、価格設定、販売促進、顧客分析など、数多くの要素が含まれています。その時の気分や思いつきだけで進めると、効果的な施策を実施し続けることは難しくなります。フレームワークを活用することで、以下のようなメリットが得られると考えられます。
論理的に施策を組み立てられる
頭の中だけで考えるのには限界があります。フレームワークに落とし込んで書き記して並べていくことでそれぞれの要素のつながりや順番などがわかりやすくなり、より論理的に施策を組み立てられるようになります。
チーム内での認識共有が容易になる
マーケティングはさまざまな要素を組み合わせて施策を検討実施していくのて、チームでの作業になることが多いです。また、外部の力を借りることが多くなります。鹿児島でもデザイナーさんやインフルエンサーさんなどいわゆるクリエイターさんにお願いする企業さんが増えています。自社のマーケティング施策をフレームワークに落とし込むことで、どれを伝えて何をしてもらうのかがはっきりしてくるのではないでしょうか。
PDCAサイクルを回しやすくなる
長く続けていくには成功だけを積み重ねられるケースばかりでなく、失敗に失敗を重ねということも多いのではないでしょうか。長く事業や商品・サービスづくりを続けるためにも、取り組んだ施策の反省をすることが重要です。そのためにも、フレームワークを活用して反省点を見つけやすい体制づくりを行うことが重要です。
代表的なフレームワークと活用法
ほとんどのマーケティング本でも解説されている超代表的なフレームワークをいくつかご紹介していきます。
それぞれの詳細についてやテンプレートなどはまた別な記事でご紹介する予定です。
4P分析
製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)の4つの視点から戦略を検討します。各要素のバランスを取りながら、一貫性のある施策を組み立てることができます。
例えば、高級な製品を販売する場合、それに見合った価格設定や販売場所、プロモーション方法を選択する必要があります。フレームワークを使うことで、これらの要素の整合性を確認できます。
3C分析
自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)の3つの視点から市場環境を分析します。これにより、自社の強みを活かしつつ、顧客ニーズに応え、競合との差別化を図る戦略を立てることができます。
STP分析
市場細分化(Segmentation)、ターゲット選定(Targeting)、ポジショニング(Positioning)のプロセスを通じて、効果的な市場戦略を立案します。「誰に」「何を」「どのように」提供するのかを明確にできます。
フレームワーク活用のコツ
1 目的を明確にする
フレームワークは手段であって目的ではありません。自社の課題や目標を明確にした上で、適切なフレームワークを選択しましょう。一方で、これが正解という学校のテストのようなものではないので、とりあえずやってみるところから始めましょう。
2 複数のフレームワークを組み合わせる
一つのフレームワークだけでは見えない部分もあります。必要に応じて複数のフレームワークを組み合わせることで、より多角的な分析が可能になります。また、施策を実行していくためにも複数のワークフレームを取り入れたほうが適切なものが見えてくることが多いように思います。
3 定期的に見直す
市場環境や顧客ニーズは常に変化しています。フレームワークを使った分析は定期的に見直し、必要に応じて戦略を修正しましょう。意外と「あのときはこう考えていたけど」となることも多いのです。
実際に表に落とし込んでいく作業をやってみましょう
マーケティングの本に書かれているフレームワークをエクセルで作ったり(枠を作るくらいなんで簡単です)、テンプレを紹介しているサイトもたくさんあるので、どれか一つ作ってみて実際に記入してみてください。
まとめ
フレームワークは、マーケティング戦略を立案する上での「地図」のような役割を果たします。初心者にとっては特に、体系的に戦略を組み立てるための有効なツールとなります。
ただし、フレームワークに縛られすぎるのは禁物です。あくまでも思考を整理するための道具として活用し、実際の市場状況や自社の特性に応じて柔軟に対応することが重要です。
フレームワークを使いこなすことで、より効果的なマーケティング施策の立案・実行が可能になります。まずは自社の課題に最も適したフレームワークから始めて、徐々に活用の幅を広げていくことをお勧めします。
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